主夫「かじおやじ」の家事研究ラボ

クラウド前夜の情シスから見た、統合セキュリティシステムの進化が想像以上だった

クラウド前夜の情シスから見た、統合セキュリティシステムの進化が想像以上だった

こんにちは。かじおやじです。

普段はこのブログで、掃除だ洗濯だ、中古住宅の修繕だと書いているのですが、今日はちょっと毛色の違う話です。

自分は今は50代の兼業主夫をやっていますが、その前はずっとIT寄りの仕事一本でした。
あるベンチャー企業では、情報システムの取りまとめ役をやっていた時期があります。

先日ふとしたきっかけで、今どきの統合セキュリティシステムのページを眺めていたら、これがもう自分の頃とはまるで別世界で。

「うわ、ずいぶん変わったな」と、しばらく画面を見たまま固まってしまいました。

せっかくなので、昔話とセットで書き残しておきます。
同じような時代を過ごした方には「あるある」として、若い情シスの方には「そんな時代もあったのか」として読んでもらえたら嬉しいです。

昔の情シスは「サーバーを担いでデータセンターに行く」仕事だった

ラックに機器を載せて、線をつないで、深夜に帰る

まだクラウドが今ほど一般的ではなかった頃の話です。

社内システムを動かすとなれば、当たり前のように物理サーバーを買って、自分たちでセットアップして、データセンターに持ち込んでいました。

まぁ移動はタクシー代は経費で出ましたよ。
電車で移動とか考えると泣けますね。サーバーがないときはもちろん電車で移動です。

台車に機材を積んで、ラックに載せて、レールの高さを合わせて、電源を取って、LANケーブルを一本ずつ挿していく。
ラベルを貼り忘れると後で泣くので、テプラを持ち込んで結線図とにらめっこしながら作業する。

稼働サービスのサーバーの場合、作業は基本的に業務時間外なので、終わるのはたいてい深夜です。
サーバールームは冷房がガンガン効いていて夏でも寒く、上着を一枚持っていくのが定番でした。

今なら管理画面でポチポチやれば数分で終わることを、当時は人が現地に行って手を動かしていたわけです。
懐かしいと言えば懐かしいですが、正直しんどかったです。

入館手続きがとにかく厳しかった

そして毎回大変だったのが、データセンターの入館手続きです。

事前に来館申請を出して、当日は身分証を提示して、受付で入館証を受け取って、共連れ防止の扉を一人ずつ通って、ようやく自社のラックのあるエリアにたどり着く。

持ち込む機材も、持ち出すバックアップテープも、いちいち申請と記録が必要でした。

当時は「面倒だなあ」と思っていましたが、今考えれば当然です。
あの建物の中には、いろんな会社の情報が文字通り山積みになっているわけですから。
むしろ、あれくらい厳しくないと預ける側も安心できません。

あの頃のセキュリティは、とにかく「バラバラ」だった

カメラは警備会社、入退室はカード会社、サーバーは自分たち

自分が一番「変わったな」と感じるのは、この点です。

当時の会社のセキュリティって、担当がきれいに分断されていました。

・防犯カメラは警備会社の担当
・入退室のカードシステムは、また別の設備業者
・サーバーやネットワーク、アカウント管理は自分たち情シス

それぞれに専用の機械があって、専用の画面があって、専用の担当者がいる。

だから何か起きたときに、「この時間に、誰がこの部屋に入って、どの端末を触ったのか」を確認しようとすると、けっこうな手間でした。

入退室のログは設備業者に依頼して抽出してもらい、カメラの映像は警備室で別のレコーダーを操作して時刻を合わせ、サーバーのログは自分たちで掘る。この三つを突き合わせて、ようやく話がつながる。

1件調べるだけで半日仕事、なんてこともざらでした。

結局いちばん怖いのは「人の出入り」だった

情シスをやっていると、どうしてもネットワークの外側からの攻撃に意識が向きがちです。
ファイアウォールがどうとか、ウイルス対策がどうとか。

でも実務でヒヤッとするのは、もっと物理的で人間的なところでした。

・退職した人のICカードが返却されていない
・派遣や業者の方の一時カードが回収されずに残っている
・扉が開いているうちに後ろからスッと一緒に入られる(いわゆる共連れ)
・部署異動したのに、前の部署のエリアにまだ入れてしまう

どれも派手さはないのですが、じわじわ効いてくるやつです。

そして当時は、こういうものを潰していく仕組みが弱かった。
結局は台帳とExcelと、担当者の記憶に頼っていたところがありました。

今は「統合セキュリティシステム」という言葉になっていた

で、冒頭の話に戻ります。

最近たまたま目にしたのが、統合セキュリティシステムのページでした。
正直に言うと、最初は「統合って何を統合するんだろう」くらいの気持ちで見ていました。

読んでみて納得したのですが、これは要するに、自分が昔バラバラに扱っていたものを、ひとつのプラットフォームにまとめてしまおうという発想なんですね。

映像も入退室も、ひとつの画面で見る

紹介されている領域を見ると、入退室管理、ビデオ管理、ナンバープレート識別(ALPR)、インターコムといったあたりが並んでいます。

つまり、自分が昔「別の会社に別々にお願いしていたもの」が、同じ土台の上に乗っている。

ページの中に、「開いてはいけない時間帯にドアが開いた瞬間、関連するカメラの映像とアラートがオペレーターに届く」という導入事例の話が出てくるのですが、これを読んだときに思わず声が出ました。

自分が半日かけて突き合わせていた作業が、最初から一枚の画面で完結しているわけです。
時代だなあと思います。

クラウド前提になっているのも時代を感じる

もうひとつ驚いたのが、クラウドへの寄り方です。

オンプレミスで始めて、あとからクラウドに寄せていくとか、ハイブリッドで運用するとか、そういう選択肢が普通に用意されている。

自分が台車を押してデータセンターの借りているフロアに通っていた頃を思うと、隔世の感があります。
あの重いサーバーは何だったんだと。

オフィス移転で入退室管理に関わったときの、地味な苦労

実は自分、オフィスが変わるタイミングで入退室管理システムの導入にも絡んだことがあります。

これがまた、地味に大変でした。

カードの発行と回収が終わらない

全社員分のカードを発行して、写真を撮って、名簿と突き合わせて、配って、署名をもらう。

この時点でかなりの工数なのですが、本当の戦いは運用が始まってからです。

入社があればカードを作り、退職があれば回収して権限を消し、異動があれば入れるエリアを変える。
派遣の方や業者の方の一時カードは、貸し出しと返却の管理が必要になる。

「カードを家に忘れました」という朝の問い合わせ対応も、地味に日常業務でした。

権限の棚卸しが、いつまで経っても終わらない

一番しんどかったのは、権限の棚卸しです。

組織変更のたびに「誰がどのエリアに入れるべきか」を洗い直すのですが、これが人手でやるとまあ終わらない。

気づけば「もう使っていないはずの権限」がぽつぽつ残っていて、それを見つけては消していく。
まるで家の押し入れの整理みたいな作業でした。

今の入退室管理システムを見て「よくできてるな」と思ったところ

そんな経験があるので、今の入退室管理システムの説明を読んだときは、正直うらやましくなりました。

自分が手作業でひーひー言っていた部分に、ちゃんと答えが用意されているんです。

権限が「役割」で決まる

一番刺さったのが、ロールベースという考え方です。

個人ごとに権限をポチポチ設定するのではなく、役職や部署、拠点といった属性に応じて、入れる場所が自動的に決まる。
異動や昇進があれば、システム側が権限を更新してくれる。

よくあるソフトウェアのアカウント権限のロールと一緒ですが、これ、あの棚卸し地獄を経験した身からすると、本当に大きいです。
人が管理する限り、抜け漏れは必ず出ますから。
仕組みで担保できるならそれが一番です。

既存のハードを全部捨てなくていい

もうひとつ現実的にありがたいのが、オープンアーキテクチャという考え方です。

特定メーカーで固めるのではなく、他社製のカードリーダーやドアコントローラー、電子錠なども組み合わせられる。
認証方法も、ICカード、生体認証、暗証番号、スマホなど幅広く選べるようになっています。

導入を検討する側の一番の壁って、たいてい「今あるものを全部入れ替えないといけないのか」という点なんですよ。
予算の話でもあるし、工事の話でもある。

そこを段階的に進められるなら、話を通しやすくなります。

ネットワークが切れても、現場が止まらない

そして情シス経験者として一番安心できるのが、この部分です。

サーバーに障害が起きたら別のサーバーに切り替わる。
ネットワークが切れても、現場の機器がローカルで判断を続けて、ドアの制御が止まらない。

これ、実際にトラブル対応をしたことがある人ほど「そこ大事なんだよ」と頷くところだと思います。

だってセキュリティシステムが止まったとき、社員が建物に入れなくなったら業務が丸ごと止まりますからね。
逆に全部開いてしまったら、それはそれで大問題です。

元・情シスの立場で、今から検討するなら見るポイント

もし自分が今もう一度、会社でこういうシステムの導入をまとめる立場だったら、こんな順番で見ると思います。

1. 人の出入りのライフサイクルを回せるか
入社・異動・退職・業者の一時利用。この4つが手作業なしで回るかどうか。ここが運用コストの大半です。

2. 調査したいときに、何分で答えが出るか
「昨日の21時にこの部屋に入ったのは誰か」を調べるのに、何画面またぐ必要があるか。ここが短いほど、担当者の消耗が減ります。

3. 今の設備をどこまで活かせるか
全部入れ替え前提だと、そもそも稟議が通りません。段階的に移行できる構成が組めるかどうか。

4. 止まったときにどうなるか
サーバー障害、ネットワーク障害、停電。それぞれで現場がどう振る舞うのか。導入前に必ず確認しておきたいところです。

5. セキュリティシステム自体の安全性
通信の暗号化や認証まわりがどうなっているか。守るための仕組みが穴になっては本末転倒ですから。

こうして並べてみると、セキュリティセンターのGenetecのページに書かれている内容は、だいたいこのあたりを正面から押さえに来ているんですよね。手広いなあ、というのが最初の感想でした。

結局これ、家の防犯とやってることは同じでした

ここまで会社の話ばかり書いてきましたが、読み返してみて気づいたことがあります。

これ、我が家の防犯でやっていることと、考え方はまったく同じなんです。

・誰が鍵を持っているか把握しておく(合鍵の管理)
・使わなくなった鍵は残さない(退職者のカード回収と同じ)
・出入りが見えるようにしておく(玄関のカメラ)
・記録が後から確認できる状態にしておく
・一箇所が壊れても全部が破綻しない作りにする

規模が違うだけで、やっていることは変わりません。

企業のセキュリティも家の防犯も、結局は「誰が、いつ、どこに入れるのか」をちゃんと決めて、それを維持し続けられるかどうかなんだと思います。

そして維持し続けるのが一番難しい。だからこそ、人の頑張りではなく仕組みでカバーする方向に進化してきたんだろうなと、今回あらためて思いました。

まとめ

データセンターで台車を押して作業していた時代から、そんなに何十年も経ったつもりはなかったのですが、セキュリティの世界はずいぶん先に進んでいました。

・昔はカメラ、入退室、サーバーがそれぞれ別管理だった
・今はひとつのプラットフォームにまとめる「統合」が主流
・入退室の権限は、人ではなく役割で管理する時代
・既存設備を活かしながら段階的に移行できる
・障害時にも現場が止まらない設計になっている

当時これがあったら、自分の残業時間はだいぶ減っていたと思います。
ちょっと悔しいですが、それだけ良くできているということですね。

企業の情報を預かる立場の方や、オフィス移転を控えている情シスの方は、一度ページを覗いてみると発見があると思います。
自分の失敗談や経験が、どこかの誰かの役に立てば嬉しいです。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事をシェアする

記事一覧へ戻る

関連記事 Relation Entry

関連する記事はまだありません。